こんにちは。
京浜東北線「大森駅」から徒歩10分、大田区山王で鍼灸マッサージを行なっております。
山王はりきゅうマッサージ処りゅうしん堂の大西です。
ブログをご覧いただきありがとうございます!
以前のブログで気分障害(抑うつ)について東洋医学ではどう考えられているのかについてお話しました。
今回は西洋医学の視点から気分障害(抑うつ)を見ていきたいと思います!
気分障害とは抑うつ(過度の悲しみなど)、躁状態(過度の高揚)、またはその両方が長期間にわたって生じる精神症状です。
抑うつとは悲しみや喜びの消失だけでなく、集中力の低下、疲労感、性欲の喪失、睡眠障害などが起こる症状であり、しばしば自殺念慮がみられます。
抑うつの正確な原因は不明ですが、セロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンといった脳内の神経伝達物質の調節異常、ストレスなど心理社会的因子などの関与が考えられています。
また遺伝因子もあり、抑うつの遺伝率は約50%と言われ、抑うつ症状がある方の第1度近親者には抑うつ症状がみられることが多くなっています。
抑うつ症状に対する鍼灸の研究を2つ紹介します。
2013年のイギリスの研究では、755名のうつ病患者を対象に、鍼灸、カウンセリング、通常治療を行い効果を比較しました。
3か月後、鍼灸とカウンセリングの両方が通常治療よりも有意にうつ病スコアを改善し、その効果は12か月後も持続していたとのことです。
ただ鍼灸とカウンセリングには有意な差は認められませんでした。
2024年に発表されたメタアナルシス(複数の研究結果を統合して解析する) では、複数のランダム化比較試験(RCT)を統合し、鍼灸がうつ病の治療において有効である可能性が示されました。特に抗うつ薬との併用や長期的な効果に関して肯定的な結果が報告されました。
研究の質や方法がバラバラであったりと課題はまだありますが、鍼灸が抑うつ症状に有効である研究報告が増えてきています。
気分障害(抑うつ)に鍼灸が効くメカニズムにはいくつかの作用が考えられています。
今回はその中から3つご紹介します。
気分障害ではセロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンといった脳内の神経伝達物質のバランスが乱れていることが多くあります。
鍼灸施術を行うとホルモンや神経伝達物質の調節に効果があるため気分障害に有効と考えられています。
ストレスは気分障害を悪化させる原因となります。
鍼灸施術を行うことでストレスに関わるHPA軸(視床下部-下垂体-副腎系)の過剰な活動を抑える効果が示唆されており、ストレスや不安の軽減に有効です
気分障害では自律神経の交感神経が優位になっておりリラックスができない状態です。
鍼灸施術を行うことで自律神経のバランスを、整え副交感神経を優位にしリラックスしやすい状態にします。
いかがだったでしょうか?
気分障害の治療をする際は鍼灸のみでなく、専門医も受診し病院での治療もしっかりと行うことが重要になります。
まずはお気軽にご相談ください。
りゅうしん堂 大西
参考:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24086114/
川喜田健司、矢野忠著『鍼灸臨床最新科学』医歯薬出版株式会社、2014年
※研究の結果が必ず正しいわけではなく個人差があります。また違うアプローチの研究や違う結果になる研究が出ることもあります。日々新しいことが発見されており理論が変わる可能性もありますのでご注意ください。
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