鍼灸でみる【生理痛】

2024年04月02日 12:00
カテゴリ: 東洋医学症状痛み

こんにちは。
京浜東北線「大森駅」から徒歩10分、大田区山王で鍼灸マッサージを行なっております。
山王はりきゅうマッサージ処りゅうしん堂の大西です。
ブログをご覧いただきありがとうございます!

毎月くる生理、それに痛みがあるということは毎月身体がつらい時期が必ずあるということ…😓
悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
今回はそんな生理痛について東洋医学的にどうみるのかみていきたいと思います。

生理痛の写真

生理痛とは?

生理痛とは月経に関連して現れる下腹部の痛みで、西洋医学的には月経痛、東洋医学的には痛経と呼ばれます。

生理痛は月経期間中に起こる下腹部痛、腰痛、頭痛、吐き気、食欲不振、下痢、イライラなどの月経困難症に含まれます。

月経困難症は器質的疾患がなく起こる機能性月経困難症と子宮内膜症や子宮筋腫などの器質的疾患が原因で起こる器質性月経困難症に分かれます。

機能性月経困難症では月経の初日〜2日目頃の出血が多いときに強く、周期性でけいれん性の痛みが起こります。
器質性月経困難症では月経前4〜5日から月経後まで続く持続性の鈍痛が多いとされます。

生理痛の病態

生理痛でよくみられる病態は次の4つになります。

①気血両虚
②肝腎不足
③気滞血瘀
④寒凝血瘀

①気血両虚

栄養不足で痛い…

脾胃虚弱(胃腸が弱い)ため気血の生成不足となる、または過労や久病で気血を消耗したことにより起こります。
月経中や月経後に下腹部のはっきりしない痛みや空虚感、下垂感がある。またお腹を押されると楽になる。
月経の量は少なく、色は淡い。
他には顔に艶がない、食欲が減る、疲労感、めまいなどを伴うこともあります。

②肝腎不足

精が足りない…

先天不足により(生まれつき)肝腎の精血が不足している、または房事過多、多産、過労などによって肝腎の精血が損傷することによって起こります。
月経中や月経後に下腹部のはっきりしない痛みがあり、お腹を押されると楽になる。
月経の量は少なく、色は淡い。
他には目のかすみ、足がつる、腰のだるさ、めまい、耳鳴りなどを伴うこともあります。

③気滞血瘀

ストレスで痛い!

情志の失調(ストレス)などによって肝の疏泄機能が失調すると気が滞る、これが女子胞(子宮)の血を阻滞させ血瘀になることで起こります。
月経前から月経中に下腹部の張りや刺されるような痛みがあり、お腹を押されるのを嫌がります。
月経周期も乱れやすく、月経量は少なく、色は暗紫で血塊が混じりやすくなります。
また血塊が出ると痛みが楽になります。
他には胸や脇の張った痛みなどが伴うこともあります。

④寒凝血瘀

冷えて痛い!

寒い環境にいたり、冷たい飲食物の取り過ぎで体が冷え、血が阻滞し血瘀になることで起こります。
月経前から月経中に下腹部の冷えた痛みや刺されるような痛みがあり、お腹を押されるのを嫌がります。
月経量は少なく、色は暗紫で血塊が混じりやすくなります。
また温めたり血塊が出ると痛みが楽になります。
他には手足の冷えなどがが伴うこともあります。

生理痛の施術方法

○基本施術

気や血など必要な物質が足りていない場合は補う施術を、気滞や血瘀など余分な物質が滞っている場合にはそれを流す施術を行います。
また女子胞の痛みを止めるため中極、帰来、次髎などのツボを使います。

生理痛のツボ

○病態別施術

上記のツボにそれぞれの病態に関連するツボを合わせていきます。

①気血両虚

気や血を補うため足三里や三陰交などのツボを合わせます。

②肝腎不足

精や血を補うため太渓や三陰交などのツボを合わせます。

③気滞血瘀

気や血をめぐらせるため太衝や血海などのツボを合わせます。

④寒凝血瘀

冷えを取り血をめぐらせるため下腹部にお灸をしたり血海のツボを合わせます。

※使うツボはあくまで一例であり患者さんそれぞれの状態やお話を聞いた内容によって変えていきます。

生理痛のセルフケア

○過労や小食、偏食を避ける

栄養不足でも生理痛になることがあるため働きすぎや、無理なダイエットで食事量を極端に減らしたり特定のものばかりの食事にならないように気をつけましょう。

○ストレスを溜めない

全てのストレスを避けることは難しいと思うので休む時はしっかり休む、軽い運動を習慣にすると気がめぐりやすくなります。

○お腹を冷やさない

お腹を冷やさないように寒い時はカイロを使ったり、冷たい食べのもや飲み物を取りすぎないようにしましょう。

こう見ると東洋医学のセルフケアは言われてみればどれも当たり前のことばかりですよね。
でもその当たり前のことが大切で、そしてなかなか出来ていないところだったりします😅
ひとりで頑張るのは大変です。ぜひりゅうしん堂をお頼りください!

いかがだったでしょうか?
もともと生理痛があると、あるのが当たり前になっている人もいるかも知れません、でも本来は痛みがないのが正常な状態です。
ぜひ一度、鍼灸施術をお試しください!

りゅうしん堂 大西

参考:教科書検討小委員会著『新版 東洋医学臨床論』南江堂、2022年

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