大田区大森・山王の鍼灸院、りゅうしん堂では
耳鳴り・難聴をどうみるのか
東洋医学と西洋医学の視点を織り交ぜながら
ご紹介します。

耳鳴り・難聴

耳鳴り・難聴

耳鳴り・難聴

耳鳴りとは?

耳鳴りは耳鳴(じめい)とも呼ばれ、外界からの正常な音刺激がないのに耳の中あるいは頭の中に音が感じられることをいいます。

一度でも耳鳴りを経験したことがある成人は40%近くに達し、5分以上続く耳鳴りの経験者は15%、睡眠障害や高度の苦痛を伴う耳鳴りの経験者は8%に、さらに正常な生活を営むうえで深刻な影響を与える重篤な耳鳴りは0.5%との報告もあります。

耳鳴りには、自覚的耳鳴、他覚的耳鳴などがあります。

○自覚的耳鳴
原因不明なことが多い。聴器に何らかの病変があって生じる耳鳴りで、難聴とともに生じる
○他覚的耳鳴
体内にあ音源がある耳鳴りで、原因によって血管性耳鳴や筋性耳鳴などがある

耳鳴り発生部位としては、内耳より末端側にあるものと、中枢にあるものがあり、内耳の疾患が最も多いといわれています。

難聴とは?

難聴は耳聾(じろう)とも呼ばれ、聴覚に何らかの障害が生じて聞こえが悪くなることをいいます。

難聴には、伝音難聴、感音難聴、混合性難聴などがあります。

○伝音難聴
音を伝える外耳や中耳のトラブルが原因
○感音難聴
音を感じ取る内耳や神経のトラブルが原因
○混合性難聴
伝音難聴と感音難聴の両方が起きた状態

難聴の原因には、加齢や病気(中耳炎や突発性難聴など)、生活習慣(大きな音をイヤホンで長く聴いているなど)があります。

耳鳴りに対する鍼灸施術のエビデンス

症例集積研究では、鍼施術により耳鳴りの自覚症状が軽減したことが報告されています。

また、ランダム化比較試験のシステマティック・レビューによると9論文は見つかりました。
そのうち5論文はシャム鍼(偽鍼)と比較した研究で有意差はみられず、頭鍼の研究である2論文では有意差が示され、残り2論文は在来の薬物療法と比較したもので優位差がみられたものとみられたかったものがありました。

ただし、いずれも研究の質が低くこの結果をもって明確な結論を出すことはできず、今後の研究が待たれます。

耳鳴りに対する鍼灸施術のメカニズム

耳鳴りに対する鍼灸施術のメカニズムにはいくつかの可能性が考えられています。

①内耳機能の調整

頭鍼により耳音響放射(OAE)に影響を与えると報告されています。
これにより内耳機能が調整され耳鳴りに影響を与えるといわれています。
※ 耳音響放射(OAE):蝸牛より音が放射される現象。外有毛細胞に機械的な運動が引き起こされ、それによって基底板の振動の増強が起こる。

②体性感覚刺激による聴覚への影響

聴覚以外の感覚入力によって耳鳴りや聴覚が影響されるといわれています。
体性感覚の刺激により耳鳴りが変化するのは、体性感覚神経系と聴神経系が中枢で相互に作用しているためと考えられています。
耳鳴りがある人に顎関節や頚部の運動などを行うと、82例中66例(80.5%)で耳鳴りの音が変化し、耳鳴りのない38例では23例(60.5%)で耳鳴りが出現したとの報告もあります。

③中枢での情緒反応、自律神経反応の抑制

低周波鍼通電は脳波α波が増大することから、精神を安定し快適状態に誘導する作用があるといわれています。
このように鍼灸施術は中枢に作用し、情緒を安定させストレス緩和やリラクゼーション効果があります。
この効果により、耳鳴りによる睡眠障害やイライラするなど感情の障害、集中力の障害などの身体反応を抑制する可能性が考えられています。

東洋医学で考える耳鳴り・難聴

耳は腎の開竅するところとされ、耳に関連する症状は腎との関連が深くなります。

また、大きく分けて実証(気や津液などが滞ったり詰まって起こる)と虚証(気や精などが不足することで起こる)に分けることができます。

実証の耳鳴りは音が大きく、「キーン」というような高い音になりやすい。
虚証の耳鳴りは音が小さく、「ジー」というような低い音になりやすい。
そんな特徴があると言われています。

耳鳴り・難聴の4タイプ

東洋医学でよくみられる耳鳴り・難聴には次の4タイプがあります。

①肝火上炎(かんかじょうえん)タイプ

肝の疏泄機能が失調し気が滞る、滞った気が熱化しそれが耳に影響することで耳鳴り・難聴が起こるタイプ。

✅耳鳴りの音が大きい

✅ストレスなどで悪化する

✅難聴の強さには波がある

✅突然悪化しやすい

などの特徴があります。

ストレスや激しい怒りが発症のきっかけになります。

②痰火鬱結(たんかうっけつ)タイプ

身体に痰湿(余分な水分)が溜まる、それが熱化し耳に影響することで耳鳴り・難聴が起こるタイプ。

✅急に発症する

✅耳の閉塞感を感じる

✅めまい、頭の重さがある

✅むくみやすい

などの特徴があります。

味の濃いもの、脂っこいもの、甘いものなどをよく食べる人に起こりやすくなります。

③脾胃虚弱(ひいきょじゃく)タイプ

脾の機能が低下しその影響で気血が不足、耳を滋養できず耳鳴り・難聴が起こるタイプ。

✅疲労で悪化する

✅倦怠・無力感がある

✅食欲不振になりやすい

✅軟便になりやすい

などの特徴があります。

飲食の乱れや疲労によって起こりやすくなります。

④腎精不足(じんせいふそく)タイプ

腎精を消耗しその影響で精が不足、耳を滋養できず耳鳴り・難聴が起こるタイプ。

✅耳鳴りの音は蝉が鳴くような低く細い音がする

✅徐々に進行する

✅夕方・夜間に悪化しやすい

✅足腰のだるさがある

などの特徴があります。

先天の精の不足や加齢による体調変化など、生まれつきの状態や歳をとることで出現しやすくなります。

耳鳴り・難聴のツボ

耳鳴り・難聴全般に使うツボ(基本のツボ)とタイプ別のツボをご紹介します。

○基本のツボ

聴会、聴宮、耳門、翳風など。
→耳鳴り・難聴に対しては耳へつながる経絡上にあるツボをメインに使います。

耳鳴り・難聴のツボ

○タイプ別のツボ

基本のツボに合わせ、それぞれのタイプ別のツボを使います。

①肝火上炎タイプ

太衝、肝兪など。
→肝の気を流し熱をとる。

②痰火鬱結タイプ

陰陵泉、豊隆や内庭など。
→脾の痰湿と熱をとる。

③脾胃虚弱タイプ

足三里、脾兪など。
→脾胃の機能を高める。

④腎精不足タイプ

太渓、腎兪など。
→腎精を補う。


※使うツボはあくまで一例であり患者さんそれぞれの状態によって変えていきます。

耳鳴り・難聴のセルフケア

耳鳴り・難聴のセルフケアを3つご紹介します。

①ストレスを溜めない

肝火上炎タイプなどはストレスの影響を強く受けます。

適度にストレス発散しましょう。

②偏食を避ける

痰火鬱結タイプは味の濃いものなどの偏食で、脾胃虚弱タイプは飲食の乱れなどが影響してきます。

偏食はさけ食事のバランスに気をつけましょう。

③十分な休息をとる

脾胃虚弱タイプや腎精不足タイプは過労や加齢で悪化します。

無理せず休むことも大切です。

参考:教科書検討小委員会著『新版 東洋医学臨床論』南江堂、2022年
川喜田健司、矢野忠著『鍼灸臨床最新科学』医歯薬出版株式会社、2014年

ご予約はネット予約がおすすめです!

24時間受付中

完全予約制

受付時間
10:00~20:00

不定休

※ご予約はネット予約がオススメです。
※ご質問はLINEやメールで受け付けています。
※電話は施術中、留守番電話になっております。メッセージを残していただければ後ほど折り返しご連絡いたします。