大田区大森・山王の鍼灸院、りゅうしん堂では
花粉症をどうみるのか
東洋医学と西洋医学の視点を織り交ぜながら
ご紹介します。

花粉症

花粉症とは?



植物の花粉が原因で生じる季節性アレルギー性疾患の総称です。

主に鼻の症状からなるアレルギー性鼻炎や、目の症状からなるアレルギー性結膜炎などがあります。

日本人のおよそ42%が花粉症にかかっていると推測されており、特にスギの花粉による花粉症が多いと言われています。


花粉症の女性

※アレルギー性鼻炎とは?

アレルギー性鼻炎とはくしゃみ、鼻水、鼻閉の3つの症状がメインの疾患です。
花粉症のほかに鼻過敏症、鼻アレルギーなどがあります。

アレルギー性鼻炎に鍼灸が効くメカニズム

アレルギー性鼻炎に鍼灸が効くメカニズムにはいくつかの作用が考えられています。

○免疫調節

免疫に関わる細胞のヘルパーT細胞にはTh1細胞とTh2細胞の2種類があります、この2種類のバランスが乱れるとアレルギーの原因になることが知られています。

Th2細胞がよく働くとIgE抗体が作られやすく、その結果アレルギーになりやすくなります。

鍼灸施術を行うことでこの2種類のバランスが調節されアレルギーを抑制していると考えられます。

○鼻粘膜の過敏性抑制

アレルギー性鼻炎の患者さんの鼻粘膜は刺激に対して過敏になっています。

鼻粘膜の過敏性は自律神経の影響も受けており、花粉が少なくてもアレルギー性鼻炎の症状が強い場合は自律神経の関与が大きい可能性があります。

鍼灸施術を行うと自律神経を調整することができることから、アレルギー性鼻炎を抑制できると考えられています。

東洋医学でみる花粉症が起こる原因

東洋医学では花粉症は鼻や目、口の近くを通る陽明経という経絡の症状と考えられています。

また外界からの防御を担当している気、身体の水分である津液の状態が影響してきます。


臓腑としては、鼻と関連が深い肺、目と関連が深く春に変化が起きやすい肝との関わりが深く、同じ花粉症でも原因によって症状が異なってきます。

花粉症の4タイプ

花粉症では次の4タイプがよくみられます。

①内熱(ないねつ)タイプ

花粉症はアレルギー性鼻“炎“やアレルギー性結膜“炎“など炎症症状であり、炎症は熱の影響で起こります。
内熱タイプはザ・花粉症というような典型的な花粉症状が特徴のタイプ。

✅涙や鼻水、鼻づまりがある

✅口が乾燥しやすい

✅耳の中の痒みがある

などの特徴があります。

辛い物や油物が多い食生活や睡眠不足があると起こりやすくなります。

②肺気虚(はいききょ)タイプ

肺の気が減ることで身体の防御反応が弱まり外部環境に影響されやすくなり花粉症が起こるタイプ。

✅温度差で症状が悪化しやすい
✅くしゃみが止まらない

などの特徴があります。

栄養不足など飲食の乱れや過労、カゼなどがきっかけで起こりやすくなります。
環境変化に弱くなっている状態です。

③肝鬱気滞(かんうつきたい)タイプ

肺気虚と違い弱っているから環境変化の影響を受けるのではなく、身体の反応が敏感になり環境変化にも敏感になることで花粉症が起こるタイプ。

✅メンタルの状態で症状が悪化したり軽減する

などの特徴があります。

ストレスなどがきっかけで起こりやすくなります。
花粉の量だけでなくメンタルの状態で症状が変わる場合は肝鬱気滞の可能性あり。

④痰湿(たんしつ)タイプ

身体に余分な水分が多い、または水分代謝がうまくできず花粉症が起こるタイプ。

✅透明な鼻水が大量に出る

✅治ったと思っても再発することがある

などの特徴があります。

水分が多いなど飲食の乱れや胃腸が弱いことで起こりやすくなります。
痰湿の場合は治るまで長くかかることが多い。

花粉症のツボ

花粉症全般に使うツボ(基本のツボ)とタイプ別のツボがあります。

○基本のツボ

りゅうしん堂での花粉症の基本施術は耳はりになります。

耳はりとは耳のツボに円皮鍼(中心に短いはりが付いたシール)を貼る施術方法になります。

花粉症は出る季節には常に症状が出ていることが多いので、耳はりをして継続的に症状を緩和できるようにします。

花粉症の耳ツボ

○タイプ別のツボ

①内熱タイプ

曲池、豊隆など。
→顔にこもっている熱を取る。

②肺気虚タイプ

肺兪、大淵など。
→肺の気を補い身体の防御反応を正常に戻す。

③肝鬱気滞タイプ

太衝、内関など。
→気の調節機能を正常に戻す。

④痰湿タイプ

尺沢、陰陵泉など。
→身体の余分な水分を取り除く。

※使うツボはあくまで一例であり患者さんそれぞれの状態によって変えていきます。

花粉症のセルフケア

①掃除・洗濯

外邪である花粉を避けることが大切になります。

こまめに部屋を掃除したり、布団など寝具も洗濯することで外邪に触れる機会を減らせます。

②バランスの取れた食事

肺気虚は脾(胃腸)が弱りエネルギーが不足して起こることもあります。

また痰湿は脾気虚で水分代謝がうまく働かず起こる場合もあるため、バランスの取れた食事をすることでこれらが原因での発症を減らせます。

③ストレス発散

ストレスを溜めないことで肝鬱気滞での発症を抑えられたり、症状が悪化しづらくなります。

参考:教科書検討小委員会著『新版 東洋医学臨床論』南江堂、2022年
川喜田健司、矢野忠著『鍼灸臨床最新科学』医歯薬出版株式会社、2014年

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