大田区大森・山王の鍼灸院、りゅうしん堂では
痒みや肌荒れをどうみるのか
東洋医学と西洋医学の視点を織り交ぜながら
ご紹介します。

痒み・肌荒れ

痒み・肌荒れとは?



痒みとは引っ掻きたくなるような不快な感覚であり、肌荒れとは皮膚表面から滑らかさが失われてかさつきなどのトラブルが現れる状態のことを言います。
疾患としてはアトピー性皮膚炎などがあります。


痒みや肌荒れのある男性

※アトピー性皮膚炎とは?

アトピー性皮膚炎とは「増悪と緩解を繰り返す湿疹を主症状とする皮膚疾患で、多くはアトピー素因を有する」と定義されています。

アトピー素因とはⅠ型アレルギーにおいて主役をなすIgE抗体を産生しやすい体質であり、既往歴や家族歴にアトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎を持つことが多くあります。

また頭痛や肩こり、便秘、不眠やイライラ感などの症状を伴いうこともあります。

アトピー性皮膚炎に鍼灸が効くメカニズム

痒みや肌荒れについて鍼灸が効くメカニズムはまだ不明なことも多いですが、アトピー性皮膚炎に対しては下記のような機序が考えられています。

○痒みを抑える

アトピー性皮膚炎の一番の症状は痒みが出ることです。

この痒みはC線維を介して中枢神経に伝達されています。

鍼刺激をするとC線維より太く伝わりやすいAβ線維が興奮し鎮痛効果があることが知られており、痒みも鎮痛と同じ機序で抑えられている可能性があります。

○乾燥肌の改善

肌が乾燥することで痒みは増しやすくなります。

鍼刺激を行うと血流や皮膚の水分量が上昇するため乾燥肌が改善され、その結果痒みも減少すると考えられています。

○アレルギー体質の改善

鍼刺激を行うことで免疫調節を行うことができアレルギー体質の改善に働くと予想されています。
免疫に関わる細胞のヘルパーT細胞にはTh1細胞とTh2細胞の2種類があります、この2種類のバランスが乱れるとアレルギーの原因になることが知られています。

Th2細胞がよく働くとIgE抗体が作られやすく、その結果アレルギーになりやすくなります。

鍼灸施術を行うことでこの2種類のバランスが調節されアレルギーを抑制していると考えられます。

東洋医学でみる痒み・肌荒れが起こる原因

東洋医学では皮膚は血や津液によって養われることで弾力や潤いを保っていると言われています。

また衛気という気が体表の防御に関わっており、衛気が弱ると肌荒れが起こりやすくなります。

痒み・肌荒れの5タイプ

痒み・肌荒れでは次の5タイプがよくみられます。

①風熱(ふうねつ)タイプ

風邪と熱邪が皮膚に鬱積し起こるタイプ。

✅突然起こる

✅全身に痒みが出るが特に頭や上半身に多い

✅皮膚が赤くなる(紅斑)

✅皮膚のビツブツ(丘疹)がでる

などの特徴があります。

暑い環境に長くいることなどで起こりやすくなります。
急な発症は風邪と熱邪の影響かもしれません。

②湿熱(しつねつ)タイプ

湿邪と熱邪が皮膚に鬱積し起こるタイプ。

✅限局性の痒みや肌荒れで特に下半身に多い

✅水疱ができる

✅熱感や紅斑がでる

✅温めると悪化する

などの特徴があります。

湿度が高く暑い環境に長くいることなどで起こりやすくなります。
高温、高湿度の環境に長くいる人は注意が必要です。

③血熱(けつねつ)タイプ

血が熱の影響を受け起こるタイプ。

✅青壮年に多い

✅夜に悪化しやすい

✅皮膚の熱感に感じる

✅痛痒い

✅掻くと爪の痕がもりあがる

などの特徴があります。

辛いのもや油物の偏食など飲食の乱れがあると起こりやすくなります。
身体の中に熱がこもっている状態。

④気血両虚(きけつりょうきょ)タイプ

衛気が不足することで皮膚の防御力が低下し起こるタイプ。

✅倦怠感や息切れがある

✅食欲が低下しやすい
✅動悸が出やすい

✅不眠になりやすい

などの特徴があります。

食事量が少ないなど食事の乱れ、免疫の低下などで起こりやすくなります。
栄養やエネルギー不足で皮膚の防御力が低下している人。

⑤血虚風燥(けっきょふうかん)タイプ

血が不足し内風、内燥が生じ起こるタイプ。

✅痒みの部位は一定しない

✅夜になると悪化する

✅慢性化しやすい

✅感情によって痒みが悪化しやすい

✅乾燥や白く細かいカサブタがボロボロ剥がれ落ちる落屑が出やすい

などの特徴がります。

食事量が少ないなど食事の乱れやメンタルの乱れ、加齢などで起こりやすくなります。
高齢の方で皮膚がカサカサしている人は可能性が高め。

痒み・肌荒れのツボ

痒み・肌荒れ全般に使うツボ(基本のツボ)とタイプ別に使うツボがあります。

○基本のツボ

曲池など。

止痒効果(去風、清熱)があるツボを使います。

痒み・肌荒れのツボ

○タイプ別のツボ

①風熱タイプ

外関、風池など。
→曲池に合わせて去風、清熱を強める。

②湿熱タイプ

陰陵泉、三焦兪など。
→湿を取る。

③血熱タイプ

三陰交、血海、膈兪など。
→血の熱を取る。

④気血両虚タイプ

足三里、三陰交など。
→気血を補う。

⑤血虚風燥タイプ

三陰交、血海、膈兪など。
→血を補う。

※使うツボはあくまで一例であり患者さんそれぞれの状態によって変えていきます。

痒み・肌荒れのセルフケア

①刺激の少ない衣服を選ぶ

綿やウールなどの天然素材の衣服が通気性がよくおすすめです。

外の環境に合わせて衣服を選びましょう。

②食べ物の偏食を避ける

飲食の乱れや栄養不足でも痒みや肌荒れが起こります。

また辛いものの食べ過ぎなどは身体に熱がこもりやすいため気をつけましょう。

③生活リズムを整える

睡眠不足などでも身体の潤いが減少するため、生活のリズムを整えることも大切です。

またストレスを溜めないようにすることも重要です。

参考:教科書検討小委員会著『新版 東洋医学臨床論』南江堂、2022年
川喜田健司、矢野忠著『鍼灸臨床最新科学』医歯薬出版株式会社、2014年

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