大田区大森・山王の鍼灸院、りゅうしん堂では
自律神経失調症をどうみているのかご紹介します。
自律神経とは、簡単に言うと身体の内部の働きを調整する神経です。
どんな時も常に働いている神経であり、意識とは関係なく働いているので“自律“神経といわれています。
自律神経は大きく分けると交感神経と副交感神経の2つに分けることができます。
・交感神経:運動している時や興奮している時に活動が高まり、身体を活動に適した状態にします。
・副交感神経:リラックスしている時や食事の時に活動が高まり、次の活動に備えている状態にします。
この2つの神経がバランスをとって働いていることで身体の内部の状態を正常な状態に維持しています。
自律神経失調症の定義は曖昧で正式な病名ではありません。
よく「自律神経が乱れている」や「交感神経と副交感神経のバランスが崩れている」
という表現を使うことがありますが、これは交感神経もしくは副交感神経の活動のバランスが崩れ、臓器が正常に働かなくなった状態を指します。
そしてこのような状態で起こってくる様々な症状が自律神経失調症と言われています。
代表的な自律神経症状
○全身症状:頭痛や胸の痛み、首や肩の痛み、肩こり、疲労感、脱力感、眠気など。
○循環器系症状:めまい、ふらつき、立ちくらみ、失神など。
○消化器系症状:腹部膨満感、吐き気、便秘、下痢など。
○泌尿器系症状:頻尿、尿意切迫、失禁、残尿など。
○生殖器系症状:勃起障害など。
○発汗系症状:皮膚の乾燥、汗がとても多い、汗をかけないなど。
自律神経が関わっていることは間違いないですが、必ずしも自律神経の障害だけが原因で起こるわけではありません。
上記の症状があるからイコール自律神経失調症とるわけではないので注意してください。
自律神経失調症で起こる症状は次の4タイプに分けることができます。
運動や興奮の神経の機能が高まっている状態。
顔面蒼白、血圧高め、頻脈、汗が異常に多い、散瞳、高血糖、唾液が濃いねばつく、便秘、鳥肌が立ちやすいなどが起こりやすい。
運動や興奮の神経の機能が低下している状態。
立った時のめまいやふらつき、食後低血圧、汗が異常に少ない、縮瞳、低血糖、疲労感などが起こりやすい。
リラックスや胃腸の働きを促進する神経の機能が高まっている状態。
唾液が多い、徐脈、吐き気や嘔吐、下痢、縮瞳、トイレに頻繁に行く、涙が多い、気管支の収縮、胃酸過多などが起こりやすい。
リラックスや胃腸の働きを促進する神経の機能が低下している状態。
ドライマウス、便秘、ドライアイ、排尿が難しい、頻脈、勃起障害、散瞳、便秘などが起こりやすい。
実際にはきれいに分けられることは少ないですが、例えば下痢の場合は副交感神経の活動亢進の可能性が、便秘の場合は交感神経の活動亢進または副交感神経の活動低下があるかもと推測する助けになります。
本来、自律神経は意思とは無関係に活動する神経です。
とはいえ自律神経の活動には私たちの気持ちや生活習慣がしっかりと反映されます。
ゆっくり休む(交感神経を休める)、少し歩く(交感神経を促す)など生活習慣を少し変えることで自律神経の働きを調整することができます。
薬によるオン・オフの調節よりも弱いかもしれないが、その代わり副作用もないのでおすすめです。
代表的なセルフケアを5つご紹介します。
交感神経亢進または副交感神経低下タイプの人はストレスを緩和することがおすすめです。
ストレスの原因を取り除くのは難しいことも多いと思いますが、趣味など好きなことをする、緑がある公園で過ごすなど原因は取り除けなくても緩和することができます。
交感神経低下または副交感神経亢進タイプの人には運動がおすすめです。
昔に比べて現代は便利になった反面、動くことが減ってきています。
休むだけでなく適度に身体を動かすことで自律神経のバランスは保たれます。
まずは散歩など軽い運動から行いましょう。
交感神経亢進または副交感神経低下タイプの人にはしっかりと睡眠をとることがおすすめです。
自律神経は常に働いている神経なので活動が過度な状態が続けば疲れてしまいます。
しっかりとした睡眠が取れると、副交感神経が亢進し、相対的に交感神経が低下し活動を休めることができます。
なかなか眠れない時も布団に入って休んでいるだけでも交感神経を休めることができます。
眠れないからといって布団の中でスマホをいじっていると逆効果になるのでやめましょう。
交感神経亢進または副交感神経亢進タイプの人には脳への負担を減らすことがおすすめです。
パソコンやスマホなど画面ばかり見ていると情報を処理するため、交換神経の活動が活発になります。
一方、近くを見るときは近くの物体に焦点を合わせるため目のレンズの厚みを変える筋肉につながっている副交感神経の活動が高まります。
仕事がデスクワークで休憩時間はスマホを見るなどをしていると交感神経も副交感神経も過活動状態になってしまいます。
パソコンは適度な距離をとって使う、休憩時間は窓の外など遠くを見るようにすれば影響を減らせるでしょう。
これはセルフケアではないかも知れませんが、交感神経低下または副交感神経低下タイプの人には足をしるという考えかたがおすすめです。
資本主義社会の現代、もっと拡大しなければ、もっと利益を上げなければ、もっと稼がなければ、もっと成長しなけでばと、常にもっともっとと追い立てられ神経が疲弊しやすい状態です。
一度立ち止まって自分にとって何が大切なのか、考えてみるのはいかがでしょうか?
それはもっともっとと多くを追い求めなくても手に入るものかも知れません、もしかしたらすでに手にしていることだってあります。
5つそれぞれおすすめを載せていますが、どの状態でも全てのセルフケアが効果があります。
ますば自分が始めやすいとこからお試しください。
自律神経失調症の人は検査をしても異常がなく心因性(こころの問題)と言われてしまうことが多くあります。
そうなると自分のこころが弱いからだと自分を責めてしまう人が多くいます。
今、検査で異常がないものは全てこころの問題なのでしょか?
それは違うと思います。
検査は日進月歩の勢いで新たなものが開発されています。
たとえ今日の検査で異常が認められなくても、数年後の検査で異常が見つかる可能性は十分にあります。
例えば胃潰瘍はストレスが原因とされてきましたが、その後ヘリコバクターピロリ菌が発見されると、ピロリ菌感染が主因と言われるようになりました。
検査で“異常がない=病気ではない“ではないと言うことは忘れないでください。
参考:鈴木郁子著『自律神経の科学』講談社、2023年
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