大田区大森・山王の鍼灸院、りゅうしん堂では
眼精疲労をどうみるのか
東洋医学と西洋医学の視点を織り交ぜながら
ご紹介します。
眼精疲労とは目を使い続けることによる目の疲れや痛み、かすみや充血など目の症状が出た状態で、頭痛や肩こり、吐き気など全身の症状が合わせて起こることをいいます。
休息や睡眠をとっても十分に回復できない特徴があります。
頭痛や肩こりはなく、目だけの疲れの場合は眼疲労といいます。
こちらは休むと回復するのが特徴です。
最近はVDT症候群(スマホやパソコンなどのディスプレイを長時間使った作業により、目や身体、心に影響のでる病気)としても増えています。
鍼灸刺激での視力向上、眼精疲労が回復するメカニズムにはいくつかの可能性が考えられています。
ひとつには鍼灸刺激を行うことで副交感神経が優位になり、瞳孔が収縮することで視力の向上や眼精疲労の回復が起こるというものです。
また、未解明ながら視中枢や視覚路への影響も考えられており、今後の研究が期待されています。
東洋医学では目は肝の関連領域と考えられています。
肝は血を蔵する作用があり、目は血によって滋養されることで機能が発揮されます。
そのため、肝血が不足すると眼精疲労が起こります。
また、脳(髄海)は腎に蓄えられた精によって滋養され、脳が滋養されることで目、鼻、口、舌、耳(五官)の機能が十分に発揮されると考えられています。
そのため、腎精が不足すると眼精疲労が起こります。
※血とは血脈の中を流れる栄養豊富な赤い液体(西洋医学でいう血液に近いもの)
※精とは生理物質の最も良いところを濃縮したエッセンス(成長発育、生殖、老化に関係するもの)
眼精疲労では次の3タイプがよくみられます。
肝血が不足し目を滋養することができず眼精疲労が起こるタイプ。
✅足がつりやすい(転筋)
✅夜中に途中で起きてしまう(中途覚醒)
✅夢を見ることが多い(多夢)
などの特徴があります。
過労や食生活の乱れ、月経過多などがあると起こりやすくなります。
デスクワークが多い人は気をつけましょう。
肝血と腎精の両方が不足して目を滋養できず眼精疲労が起こるタイプ。
✅耳鳴り、難聴がある
✅めまいがしやすい
✅足腰が弱い(腰膝酸軟)
などの特徴があります。
睡眠不足や慢性疾患がある、または加齢などで起こりやすくなります。
血と精の不足が進み、身体を潤す力が低下し熱を帯びることで眼精疲労が起こるタイプ。
✅充血しやすい
✅目が乾燥する
✅手足がほてる(五心煩熱)
✅寝汗をかきやすい(盗汗)
などの特徴があります。
過労や長期間のストレスが重なると起こりやすくなります。
体を潤す力が弱っているのでほてりなど熱症状が出てきます。
眼精疲労全般に使うツボ(基本のツボ)とタイプ別に使うツボがあります。
目の周りのツボ:睛明、魚腰、太陽、四白など。
目の周りのツボを使い目への滋養を高めていくのが基本になります。
三陰交など。
→血を補う。
太渓など。
→腎精を補う。
復留など。
→腎陰を補う。
※使うツボはあくまで一例であり患者さんそれぞれの状態によって変えていきます。
当たり前と言われればそれまでですが食事と睡眠が基本です。
食事をとることで血が作られ、睡眠をとることで全身に血がめぐるようになります。
食事睡眠が乱れている場合はここから改善していきましょう。
「長時間画面を見ていないか?」「画面に目が近すぎないか?」「明るい場所で作業をしているか?」など環境を変えるだけでも目への負担が減ります。
肝血虚など血が不足している場合は温めることで血の循環がよくなります。
蒸しタオルなどで温めてあげましょう。
肝腎陰虚などで熱を持っている場合は目を冷やしてあげるとスッキリします。
参考:教科書検討小委員会著『新版 東洋医学臨床論』南江堂、2022年
川喜田健司、矢野忠著『鍼灸臨床最新科学』医歯薬出版株式会社、2014年
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