大田区大森・山王の鍼灸院、りゅうしん堂では
肩こりをどうみるのか
東洋医学と西洋医学の視点を織り交ぜながら
ご紹介します。
肩こりとは首や肩、背中にこりや痛みを感じている状態のことをいいます。
頚椎症、頚椎椎間板ヘルニア、胸郭出口症候群などを除外した非特異的な病態の肩腕症候群に含まれます。
つまり、診断がつくような病気がないのに筋肉の張りやこりを感じている状態になります。
肩こりが起こる仕組みは今でも詳細は不明なことが多くあります。
今、考えられてる肩こりの仕組みはγバイアスと交感神経バイアスのふたつがあります。
・γバイアス
筋は伸ばされると逆に収縮する伸張反射のこと。
・交感神経バイアス
筋と筋内の血管は交感神経に支配されているため筋の緊張は交感神経の影響を受けていること。
つまり、筋が伸ばされる、またはストレスなどで交感神経が興奮することで筋が緊張し肩こりが発生すると考えられています。
一度、肩こりが起こると次のような流れで悪循環に陥ることがよくあります。
γバイアスと交感神経バイアスの
影響で筋が緊張
↓
血流悪化
↓
筋代謝障害
↓
発痛物質が溜まり痛み発生
↓
痛みの影響でさらに筋緊張
この流れを断ち切ることが肩こり改善の鍵になってきます。
東洋医学では病理産物などの停滞により経絡の運行が阻害されて起こる場合と、生理物質の不足で肩を滋養できずに起こる場合があります。
簡単に言うと、余分なものがあり滞っている、または必要なものが足りていないことで肩こりを感じます。
肩こりでは次の3タイプがよくみられます。
気が滞り、経絡が阻滞することで肩こりが起こるタイプ。
✅張ったような感覚がある
✅じっとしていると悪化し、動くとラクになる
✅イライラしやすい
などの特徴があります。
同じ姿勢でいる時間が長い、ストレスが多い人などが起こりやすくなります。
デスクワークで長時間座っている人などは注意が必要です。
痰湿(余剰な水分)が溜まり、経絡が阻滞することで肩こりが起こるタイプ。
✅重だるい感覚がある
✅むくみやすい
✅食欲不振がある
などの特徴があります。
食べるものが偏っているなど食生活のバランスが崩れていると起こりやすくなります。
常に重さがある肩こりの人は痰湿を疑った方がいいかもしれません。
気血が消耗し、肩が滋養できず肩こりが起こるタイプ。
✅シクシクした痛み(隠痛)がする
✅疲れると悪化する
✅慢性になりやすい
などの特徴があります。
過労や慢性病が原因で起こりやすくなります。
痛みは強くないけどなかなか治らない肩こりは気血両虚かもしれません。
肩こり全般に使うツボ(基本のツボ)とタイプ別に使うツボがあります。
肩周りのツボ:肩井、肩中兪、天宗など。
肩に関係する経絡のツボ:合谷、手三里など。
肩周りや肩に関係する経絡上のツボを刺激することで、余分な物質を流す、または必要な物質を肩に届けることができます。
太衝、風池など。
→ 気をめぐらせる。
豊隆、陰陵泉など。
→ 余分な水分を取り除く。
足三里、三陰交など。
→ 気血を補う。
※使うツボはあくまで一例であり患者さんそれぞれの状態によって変えていきます。
肩こりは鍼灸施術を受けることで、ラクになりますが原因がなくならないと再発しやすくなります。
仕事をしている時の姿勢や使っている机や椅子の高さがあっていないなど作業環境を見直すことで再発を防ぎましょう。
肩こりは病理産物が滞ったり、ストレスで起こることが多くあります。
定期的に運動したり瞑想を行うことで病理産物やストレスを溜めないことが予防になります。
痰湿も気血両虚も胃腸の不調で起こりやすくなります。
暴飲暴食で痰湿を溜めたり、偏食で栄養が偏り気血不足が起きないように気をつけましょう。
参考:教科書検討小委員会著『新版 東洋医学臨床論』南江堂、2022年
川喜田健司、矢野忠著『鍼灸臨床最新科学』医歯薬出版株式会社、2014年
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