鍼灸でみる【冷え症】〜西洋医学編〜

2025年06月05日 17:00

こんにちは。
京浜東北線「大森駅」から徒歩10分、大田区山王で鍼灸マッサージを行なっております。
山王はりきゅうマッサージ処りゅうしん堂の大西です。
ブログをご覧いただきありがとうございます!

以前のブログで冷え症について東洋医学ではどう考えられているのかお話しました。
今回は西洋医学の視点から冷え症を見ていきたいと思います!

冷え症の女性

冷え症とは?

冷え症とは「通常の人が苦痛を感じない程度の温度環境下において、腰や背中、手足末端、両足あるいは全身的に異常な寒冷感を自覚した状態」のことを言います。
女性を対象とした疫学調査では冷えの自覚は全体の52%に認められたそうです。
多くの人が感じている冷え症ですがなかなか改善する方法もなく困っている方も多いのではないでしょうか?

冷え症は起こる原因は自律神経とホルモン?

冷え症は末梢血管の収縮による血行障害で起こります。
自律神経である交感神経の過緊張、または女性ホルモンであるエストロゲンの低下が関与していると考えられています。

冷え症に対する鍼灸の研究

ここでは冷え症に対する研究を3つ紹介したいと思います。

①鍼灸は効果がない!?

冷え症を有する女性19名を鍼灸施術群(10名)とコントロール群(無治療9名)に分け、足三里と三陰交に鍼をしそこにお灸を追加(灸頭鍼)、さらに関元、次髎にお灸を行いました。
両群を比べ評価した結果、2群の間に有意差はありませんでした。
つまりこの研究では鍼灸施術の方が効果があることは認められませんでした。

②鍼通電を行った研究

冷え症の女性43名(血管反応正常群23名、血管反応異常群20名)の三陰交に鍼通電を20分行いました(週1回、計5回)
その結果、自覚的な冷えの程度が強い血管反応異常群では改善が見られました。
さらに足の血管反応性を正常化させることで全身の症状も軽減されることが示唆されました。

 ③冷え症に対する症例集積

冷え症を訴える若年層の女性患者へ骨盤周りにある次髎、膀胱兪、胞肓、中極などのツボに通常の鍼、鍼通電、お灸を行った症例では有効率が62.9%(著効6.7%、有効26.7%、やや有効29.5%)であったとのことです。
これらの症例報告では若年層女性の冷え症に対する鍼灸施術の有用性が示唆されました。

上記のように研究によっては効果が認められないものがありますが、鍼通電や骨盤周りへの鍼灸施術で冷え症が改善する報告も多くあり冷え症に対する鍼灸の効果について今後の研究に期待が持てます。

冷え症に鍼灸が効くメカニズム

先ほどの研究で三陰交への鍼通電で冷え症の改善がみられました。
三陰交へ鍼通電を行うことでふくらはぎの皮膚温度の上昇、さらに自律神経の調節(交感神経の抑制)で血管運動が正常化され冷え症が改善さえると考えられます。
また腰や腹部、骨盤周りに鍼灸施術を行うと腰腹筋緊張が緩和され血流の改善が期待できます。

いかがだったでしょうか?
りゅうしん堂では東洋医学と西洋学の二つの考え方を合わせて施術を行っています。
まずはお気軽にご相談ください。

りゅうしん堂 大西

参考:川喜田健司、矢野忠著『鍼灸臨床最新科学』医歯薬出版株式会社、2014年

※研究の結果が必ず正しいわけではなく個人差があります。また違うアプローチの研究や違う結果になる研究が出ることもあります。日々新しいことが発見されており理論が変わる可能性もありますのでご注意ください。

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