鍼灸でみる【不眠(睡眠障害)】〜西洋医学編〜

2025年05月15日 17:00
カテゴリ: 西洋医学自律神経

こんにちは。
京浜東北線「大森駅」から徒歩10分、大田区山王で鍼灸マッサージを行なっております。
山王はりきゅうマッサージ処りゅうしん堂の大西です。
ブログをご覧いただきありがとうございます!

以前のブログで不眠について東洋医学ではどう考えられているのかについてお話しました。
今回は西洋医学の視点から不眠を見ていきたいと思います!

不眠症の女性

不眠の主な原因4タイプ

不眠の主な原因には以下の4タイプがあります。
①メンタル原因
②環境要因
③身体不調
④ホルモンの乱れ
またいくつかの原因が合わさって起こる方も多くいます。

①自律神経が乱れる!メンタル原因

⬜︎ストレスや緊張
⬜︎不安 など
※自律神経が乱れて交感神経が優位(興奮状態)になり眠れなくなる。

②生活リズムの崩れ!環境要因

⬜︎夜更かし、昼夜逆転
⬜︎寝る前のスマホ
⬜︎寝室の環境が悪い(暑い寒いなど)
※生活リズムや寝る環境が原因でメラトニン(睡眠に関わるホルモン)の分泌が減ってしまう。

③他の病気が原因?身体不調

⬜︎肩こりや腰痛
⬜︎睡眠時無呼吸症候群
⬜︎夜間頻尿 など
※痛みなど身体の不調で眠が浅くなる。

④脳の働きの異常?ホルモンの乱れ

⬜︎ストレス
⬜︎食事の乱れ
⬜︎運動不足 など
※メラトニンやセロトニン(リラックスに関わるホルモン)不足、ドーパミンの過剰などが起こり睡眠障害が起こる。

不眠に対する鍼灸の研究

不眠の研究についてなされた報告を2つ紹介します。

①不眠研究のエビデンス評価

2019年のシステマティックレビュー(文献を検索してエビデンスを評価する方法)では73件の無作為化比較試験を分析し、鍼灸とプラセボ、薬物療法を比較した結果、鍼灸が有意な効果を示したと報告されています。
ただエビデンスの質は低いとされており注意が必要です。

②不眠研究の統合報告

2021年に行われたメタアナルシス(複数の研究結果を統合して解析する)では24件の無作為化比較試験を分析し、鍼灸と薬物療法を比較した結果、3週間以上施術を行った後では鍼灸が有意な効果を示したと報告されています。

上記2つでは不眠に対して鍼灸が効果があることが示されました。
しかし、エビデンスの質やバイアスの問題などがあり、今後より多くの研究が行われ効果を調べる必要がある分野になります。

不眠に鍼灸が効くメカニズム

鍼灸のメカニズムとして考えられているものを3つ紹介します。

①自律神経のバランス調節

鍼灸施術を行うと自律神経のバランスを調節できると言われています。
不眠がある人は交感神経が優位(興奮状態)になっており、鍼灸施術を行なうことで副交感神経が優位(リラックス状態)になり眠りに入りやすくなります。

②ホルモンの変化

鍼灸施術を行なうことでホルモンへの作用も期待できます。
メラトニンやセロトニンの分泌に影響し睡眠状態を改善します。

③ストレス抑制

鍼灸施術でHPA軸(視床下部-下垂体-副腎系)の過剰な活動を抑える効果が示唆されています。
これはストレスに反応する経路であり、抑制されることでリラックスし睡眠改善につながります。

いかがだったでしょうか?
りゅうしん堂では東洋医学と西洋学の二つの考え方を合わせて施術を行っています。
まずはお気軽にご相談ください。

りゅうしん堂 大西

参考:川喜田健司、矢野忠著『鍼灸臨床最新科学』医歯薬出版株式会社、2014年

※研究の結果が必ず正しいわけではなく個人差があります。また違うアプローチの研究や違う結果になる研究が出ることもあります。日々新しいことが発見されており理論が変わる可能性もありますのでご注意ください。

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